4年3ヶ月を振り返る その1

本日で正式に退職、ということになったので、
この4年と3ヶ月間を順に振り返ってみようと思います。
書いてる内にどんどん書きたいことが出てくるかもしれないので
何回になるかわかりませんが、他の司書さんの助けになれば幸いです。

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初年度、4月1日。


それまで勤めていた大学図書館(委託の派遣)を辞め、
小学校と中学校の図書館で働くことになった。
理由は色々あったけどここでは割愛。
ともかく、全く経験のない図書館で働く期待と不安を抱きつつ、
この日は勤務する市の市役所に向かった。
今日は市内の全非常勤職員の任命式だ。
同じ市で働く8名の司書さんも、もちろん全員来る。
部屋に入ると、他の職種の人もたくさんいて
最初は誰が司書をするのかわからなかったけれど、
席割で大体自分の周りも学校司書だというのはわかる。
そこではたと気づいた。


男がいない…


市内の学校司書8人の内、男は自分一人だけだった。若い人も少い。
この時はまだ図書館司書の仕事が圧倒的に女性が多いということも知らなかった。


着任式を終え、確か司書さんたちでご飯を食べに行ったような気もするけれど、
緊張していたのであんまり覚えていない。
ともかく、午後から勤務校である小学校と中学校に行った。
驚いたことに、自分が小学生・中学生の時に
教わったことのある先生が何人かいらっしゃった。
色々ご挨拶したり話をしたりしたけれど、
これまた緊張していたのであんまり覚えていない
自分の昔を知ってる人がいるなんて…という気まずさがちょっとあった。


学校に来てすぐ、職員室内の片付けや掃除を手伝い、
それが終わってようやく図書館担当の先生に図書室に案内された。
鍵を開けてもらって入った時の第一印象は
「明るくて良い雰囲気の図書室だなぁ」。
図書室は古い本ばっかりでいつも閉まってて空気も淀んでいて…
というイメージが小学校時代に植え付けられていたので、
絨毯もあって、飾りもあって、楽しそうだな、と感じた。


そんな風に図書室のなかを見回していたら


「じゃぁこれからよろしくね」


と言って図書館担当の先生はまた職員室に戻っていった…
あれ?引継ぎとか授業の話とかは?
ちなみに前任者とはこれまで一度も顔も合わせていない。
今日も退職しているのでもちろんいない。
何か引継ぎ資料が無いかとカウンターを見てみた。
カウンターとその横にある机は綺麗に片付けられていて、
机の上にいくつかの薄い冊子と封筒。
冊子を開いてみると、貸出・返却・予約・利用者登録の簡単なマニュアル。
封筒の中身は昨年の弁償本の納品書らしきものと、
昨年の授業で読んだらしい読み聞かせのブックリスト、
学校司書用の市立図書館貸出カード、
そして前任者からのちょっとしたメッセージ。


…え?こ、これだけ…?


もう何日かしたら入学式があり、始業式があり、学校が始まる。
「図書の時間」というものがあり、そこで読み聞かせをしないといけない、
というのも聞いている。けど、どうやって…?まず何すりゃ良いんだ…?


「途方に暮れる」というのはこういう感覚か、
というのを生まれて初めて知った日であった…。


(1回目で初日しか終わらないなんて…何回続くかわからないけど、ともかく続く。