4年3ヶ月を振り返る その4

引き続き仕事の振り返り。今日は1年目をまとめて。

――――――――――――――――――――――――――――――――

そんなこんなで始まった学校図書館専任司書の仕事。



1学期はともかく読み聞かせの準備で精一杯だった。
何しろ、6学年12クラスの図書の時間が毎週あり、
1クラスで2冊読むとして、1〜3年、4〜6年でそれぞれ
同じ本を読むとしても、1週間に4冊は読み聞かせの
絵本を選ばなければならない。
「4冊ぐらいなら大した冊数じゃないんじゃない?」と
思うかもしれないけれど、この4冊を選ぶのが
読み聞かせ初心者には大変な負担になる。


まず、そもそも「何を読めば良いか?」というのが全くわからない。
絵本は図書館にそれこそ山のようにあるけれど、
「どれが良いか」というのは1冊1冊読んで判断しないとわからない。
しかも、ただ面白ければ良いというものではない。
読み聞かせで声に出されたのを聞いて楽しめる面白さで
(エンターテイメント性が多分に要求される)、
なおかつクラス全員にも見えるような絵で、
そうしてさらに自分が声に出して読みやすいものでなければならない
(読み手の癖や得手不得手で読める本が変わる)。


この3つの条件を満たす絵本となると、
たとえ山のように絵本があったってなかなか見つからない。
実際、この時期は毎週山のように絵本を読んだ。
1週間に20冊以上、1ヶ月で多分100冊以上読んでいたと思う。
絵本の参考図書も大いに読んだ。
例えば、


絵本・子どもの本 総解説

絵本・子どもの本 総解説



など。
雑誌の『MOE』や季刊誌の『この本読んで!』、
『子どもの読書』『子どもの本棚』ももちろん、
別冊太陽の絵本特集もよく読んだ。
市立図書館にある全ての絵本に目を通すなんて当然無理なので、
こういった参考図書で効率よく面白そうな絵本を探した。


ともかく、1年目はこんな風に毎週の読み聞かせを
こなすただけで精一杯だった。
飾り作りや図書館整備もほとんどできなかった。
選書もカタログや本屋さんで面白そうだなと思ったのを
選ぶだけで、今思い返すと酷いものだったなぁ…。


ただ、この1年間読み聞かせで苦労したおかげで、
絵本の知識はかなり増えた。「ほんとも!」のサイトも、
元々この時期に読んだたくさんの絵本をそのまま読んだだけで終わるのは
もったいなかったので、自分用の絵本データベースを
アクセスで作り始めたのが原型となっている。


そうして読み聞かせにひたすら注力する1年間が
終わりかけようとしていた3学期。
学校教育課の図書館司書担当の先生に、ある日こんなことを言われた。



「ウチの市で子ども読書推進計画作るんやけど、
 おまえ学校司書代表としてやってみーへんか?」



そうして、喧々諤々の論争を巻き起こす、2年目が始まることとなった。



(図書館司書担当の先生の口調が馴れ馴れしいのは、中学校時代の恩師だからです。というわけで次回から2年目スタートです。例のごとくどれだけ続くかは未定…)